パステル染め

かつて中世ヨーロッパでは、青が高貴な色とされ、聖母マリアのガウンが青く描かれたり、フランス王家の紋章に青が採用されたりしました。当時、王家や貴族階級の服を青く染めるのに、パステルと言う名前のアブラナ科の植物が使われました。

当時の宮廷画に描かれた青い衣装は、時代背景を考えると、おそらくパステルで染めたものと思われます。フェルメールが活躍したのも、パステル染めが一般的だった17世紀です。

18世紀に世界的な規模で交易が盛んになると、安価で簡単に濃く染まるインディゴ(藍)がインドから大量に輸入されるようになり、パステル染めは急激に衰退し、その技術も失われてしまいました。

近年、かつてのパステル染め産業の中心地であった、フランス、トゥールーズで、近郊の畑でパステルを栽培し、パステル染めを復活させようと言う動きが生じ、いくつかのアトリエが活動しています。

当店では、そのうちの一つ、フランス産の材質にこだわり、高品質の製品を生み出す、アトリエ AHPY からの直輸入でパステル染め製品をお届けします。

AHPYは、アネットさんとイヴさんの2人で運営している小さな工房ですが、フランスで数々の賞を受賞していて、アート工房として知られた存在です。

アトリエでは、これまでEU圏にのみ輸出してきましたが、このたび、当店の運営会社、ティーイーエフジャパン(株)によって、初めて日本に輸入されることになりました。

パステル染めには他の染料にはない独特の魅力があります。藍染めほど濃くは染まりませんが、独特の発色により不思議な輝きを持った、気品のある青となります。

また、一度染まると、高い染色堅牢度を誇り、年月が経過しても色褪せが少なく、AHPYのアネットさんのお話では、軽く水で手洗いして干すと、染色成分に含まれるバクテリアの働きで、すぐに輝きを取り戻すとのことです。

幻のフレンチブルー、パステル染めの製品を、是非、店頭で手にとってご覧になってはいかがでしょうか。

また、ネット販売もおこなっています。(リンクはこちら

* トゥールーズとパステル染めについては、NHKの「世界ふれあい街歩き」で紹介されました。また、アトリエAHPYはNHKの「旅するフランス語」新シリーズで12月5日に「魔法の青 パステル染め」として取り上げられました。

※  [事業者の方へ] 当店の運営会社ティーイーエフジャパンはアトリエAHPYのパステル染め製品の日本での正規輸入元となっております。AHPY製品の取り扱いを希望される事業者の方は取引条件等につきまして、当サイトのお問い合わせフォームまたは、info@tefjapan.com までメールでお問い合わせください。

畑で栽培したアブラナ科の植物「パステル」の葉を発酵させてその働きで染色します。この緑色の液に浸けて引き上げたのち空気に触れて美しいパステル独特のブルーに変化します。
(写真提供アトリエAHPY、フォトグラファーMarie-Lise Gauthier、無断転載禁止)
フランスでのショーウインドウの展示です。